ゆうと君は、知的でクリエイティブな業界で仕事をしているのですが、いつも、私が驚かされることがあります。
それは、彼は、基本的に何でも知っているのです。政治、経済、芸能、音楽、映画、ゲーム、スポーツ、歴史、地理、宇宙、古典、グルメ、建築、そして、いろんな分野の裏話、本当になんでも知っています。
もちろん、世の中のすべてを知り尽くすことなんて、誰にもできませんから、ゆうと君にも知らないことはあります。でも、知らない分野や知らないことがらが会話の中で出てくると、翌日には、もうその分野に相当詳しくなっているのです。
また、パソコンを通じて、スカイプなどでお話ししていると、ゆうと君は、知らないことが出てくると、数分後には、そのことに相当詳しくなっています。
彼の博学の根底にあるのは、インタネットで検索し、必要で十分な信頼できる情報を瞬時に引き出し、それをクロスレファレンスし、一気に自分の頭に入れるという能力です。
彼は、これを日本語でも、英語でも瞬時にやってしまいます。彼の英語力は、ものすごく上手いという訳ではないのですが、情報検索と、情報収集に関しての彼の英語力は、英語には自信があるはずの私も顔負けなのです。
要は、彼は、知らない分野や知らないことに出会うと、数分から数十分以内にそのことをかなり詳細に情報検索・情報収集して、理解してしまいます。これを毎日何十回も繰り返しているのです。ですから、いまや、彼は世の中のいろんなことをかなり知り尽くしています。確かに、雑学的な教養レベルかもしれません。でも、Wikipediaで調べるよりは、ゆうと君に聞いた方が、はるかに分かりやすく、的を射た説明をしてもらえます。
ゆうと君の凄いところは、その説明に常に確かな出典を付けてくれるというところです。ゆうと君に何かを聞くと、まずは簡潔に説明してくれて、その後で、URLがいくつか送られてきます。そのURLを開くと、ゆうと君が説明してくれたことの典拠、原典が示されています。ほとんどの場合、とても信用度の高いしっかりとしたサイトです。
ゆうと君は、教育に関する仕事はしていないのですが、私は、教師を目指す人は、ゆうと君のような知の獲得の営みをしてほしいと思っています。
ゆうと君の知の獲得の営みをまとめると次のようになります。
1. 知らないことをそのままにしない。すぐに調べる。すぐに!!
2. 調べるときは、インターネットを使って瞬時に膨大な情報を検索する。
3. 検索で得た膨大な情報の中から、素早く必要かつ充分かつ信頼性の高いものを選び出し、読み込んで理解する。
4. 情報検索は日本語だけに頼らず、英語も必要に応じて駆使する。つまり、英語サイトを敬遠しない。英語でないと調べられないことはたくさん存在します。
5. 自分の興味があることがらであろうと、興味がなかろうと、知らないことは必ず調べる。すぐに調べる。
6. 調べたことは、簡潔に自分の言葉で他者に説明できるようになっておく。
7. 説明するときは、その説明の根拠・典拠となるサイトのURLをすぐに示せるようになっておく。
8. 上記のことを数分から数十分以内に完了させる。
9. 上記のことを、知らないことに出会ったら、例外なく行う。
10. 理解したことは基本的に忘れない。忘れたと思ったらすぐに調べ直す。
教師とは世の中のことを少なくとも「広く浅く」、可能なら「広く深く」知っておく必要があります。
教師志望者の中には、
私は映画のことは何も知らない。
政治や経済のことは無教養だ。
ワインのことなどさっぱり分からない。
などなど、知らない分野があることを、半ば自慢のように言う人がいますが、こういう発言を聞くと、悲しくなってしまいます。
世の中のことを知らずして、子どもを教育することなんてできないはずですよね。
自分の専門分野だけ知っておけば良いなんて人は、少なくとも学校教育における教師には不向きです。
「先生は何でも知っている。」
「先生に聞けば何でも教えてもらえる。」
こんな先生を子どもたちは尊敬し、信頼します。
単なる雑談の場でも良いのです。休憩時間の子どもとの会話でもいいのです。
子どもたちに、「先生は物知り!!」と思ってもらいながら、子どもたちといろんな話題について話ができるというのが、教師の一つの理想像です。
20年ほど前までは、世界のあらゆることを知り尽くそうなんて、夢のまた夢でした。
でも、現在は、インターネットとGoogleなどの検索システムにより、それこそ、世界中のあらゆる知識に瞬時にアクセスできます。日本語と英語が使えれば、世界の知識のほとんどについて、何らかの理解を得ることはできます。
あとは、どれだけ、そのチャンスを駆使するかです。
ゆうと君は、おそらく、毎日、数十回は、既に書いたような知識の獲得に努めています。毎日、毎日です。
これが何年、何十年と続くと、結果は明らかですよね。さすがに世界中のすべての知とまでは言いませんが、世界の知のしっかりとした部分を自分の頭脳に取り込めます。
ルネサンス時代に活躍した、レオナルド・ダビンチやミケランジェロのことを我々は「万能人」と呼びます。かれらが、芸術、科学、哲学、文学、あらゆることに長けていたからです。
21世紀に生きる私たちは、モナリザは描けないかもしれませんが、少なくとも、知識と教養に関しては、「万能人」になることが比較的簡単にできます。
教師は、そういった「万能人」になっておく必要があると私は考えています。
ゆうと君は、ある時、次のようなことを言っていました。
「僕、分からないことがあると、調べちゃうんですよね。知らないことに出会うと、自然に指がキーボードを叩いているんです。知らないことがあれば、調べるというのが条件反射みたいになっているんですよね。」
こんな条件反射を是非、教師志望者には身につけていただきたいと思います。
知らないことを知らないままにしておかないでください。
常に、「知らない」を「知っている」に変えていってください!!
教師志望者の皆さん、「万能人」となって、子どもたちに、豊かな教養を育んであげてくださいね!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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