「とりあえず」なんて言うから、ダメなんだよね!!(補足付 笑)

教員採用試験の1次試験が近づいてきていますね。

そういうこの時期だからこそ、気になる言葉があります。

「とりあえず」という言葉です。

「とりあえず、1次試験をなんとかしよう。」

「とりあえず、教職教養だけをやっておこう。」

こんなつぶやきがあちこちから聞こえてきます。

何なんですか? この「とりあえず」というのは??

もし、「とりあえず、一次試験をなんとかしよう。」の「とりあえず」が、

「戦略的に考えた結果、教採の1次試験と2次試験の勉強法は異なるので、試験全体を2段階ステップに分けて、1段階目である1次試験の対策戦術はXXXだから、現在は、その戦術を実行中であり、実行状態は良好である。」

という意味なら、それで結構です(微笑)。

でも、実は、そうではなくて、

「教採の勉強をやってはいるのだけれど、よく勉強法も分からないし、1次試験も迫ってきていて、不安でしかたがないけど、どうしてよいのか分からない。まあ、ちょこっと1次試験の勉強をして、1次試験に合格したら、2次試験のことを考えよう。2次試験のことなんか、いまは考えられない。」

であるのであれば、こんな風に思っている人は、教採にはまず合格しません。1次試験にも合格しない可能性が大ですし、仮に2次試験まで進んでも、2次試験敗退はほぼ確実でしょう。

こんな風に思っている人は、「とりあえず1次試験」というだけでなく、1次試験の合格発表があるまでは、2次試験の準備をしないという共通の特徴もあります。教採の1次試験は7月にあります。この合格発表が、大体8月上旬です。そして、2次試験が8月の下旬くらいにあります。

1次試験が終わってから2次試験までは、おおむね1ヶ月以上あります。でも、1次試験の合格発表があってから2次試験までは、10日から15日くらいしかないことがほとんどです。

「とりあえず」を連発する人は、1次試験合格を確認するまでは、2次試験の準備をしません。戦略的発想が皆無なのです。もし落ちていたら、2次試験の準備が無駄になるとか、1次試験の合格発表があるまでは勉強する気にならないとか、くだらない理由をこね回して、貴重な時間を無駄にするような人たちです。

2次試験は、模擬授業、場面指導、個人面接、実技試験などが課されます。
10日あまりの準備だけで合格するような試験ではありません。
でも、1次試験の終了どころか、1次試験の合格発表まで、2次試験の準備を怠る人が多いのです。

それを象徴する言葉が、「とりあえず」なのです。

戦略的思考もなく、合格戦術もなく、ただ、自分の不安をごまかすために、「とりあえず」を連発します。もっとも教師に向いていないタイプの人間です。

教師は、優先順位を付けて仕事をする必要があります。どんな仕事でも、優先順位を意識し、効果的にこなしていかなければいけません。

しかし、「とりあえず」の中には、優先順位を付けて戦略的に仕事をこなすという思考がありません。思考から逃避し、自分をごまかすための安易な発想が「とりあえず」です。

恋愛で喩えてみましょう。

Aさんも、Bさんも、Cさんも素敵だから、とりあえずAさんにアプローチしようとして、Aさんに対して、「とりあえず、あなたに愛を告白することにしました」なんて言うでしょうか?(笑)

「とりあえず」なんて言葉は、「とりあえず、生ビール!」くらいの文脈で使うものです。教採や恋愛に使うような言葉ではありません!!

と、ここまで書いてきたのですが、私も元来は国語教師ですので、もうちょっと詳しいことを書いておきましょう。以下の文章を引用しますね。

<引用開始>

辞書的に言うと、
1.【いろいろな選択肢の中から第一に。さしあたって。まずはじめに。】または
2.【すぐに。直ちに。】という意味合いがある。

「とりあえず、これからやろう。」という書き方であれば、本来の意味であれば『他にやる事はたくさんあるけれど、最優先事項としてこれをやろう。』という事であり、今できる最大限のことを言う。

しかしながら近年では違った使われ方をされる機会が増えている。
「今できる最大限」という意味合いではなく、『応急処置で。労力を用いずに。片手間に。』といった後ろ向き、否定的な捉え方をされる事が多い。

例えば何か仕事を頼んだ相手から「とりあえず○○しておきました。」といわれた時にどのように感じるだろうか。おそらくはその仕事振りに関して万全を期待する事はないだろう。

この意味合いの場合、上記の「とりあえず、これからやろう」という例文も、その裏に『簡単そうだから。適当に。それなりに。』といった類の後ろ向きな思考が見え隠れしてくるのである。

<引用終了>

元記事はこちら。

引用した記事に書かれていることが正しいということは、例えば、手紙の末尾に「とりあえず御礼まで。」などと書くことで理解できるでしょう。「とりあえず御礼まで。」とは、「まずは最優先で御礼を申し上げたいので、急いで筆を取らせていただきました。」という意味です。決して「他にすることがないし、どうでもよかったのだけど、まあ御礼でもするかなと思って手紙を書きました」ではありませんよね。

ですから、「とりあえず一次試験」と言っている人が、もし、「とりあえず」の本来的な意味で使っていらっしゃるのであれば、それは素敵なことです。

でも、現代的な用法で「とりあえず」を使っている人は、今日のこのブログのタイトル通り、「『とりあえず』なんて言うから、ダメなんだよね。」と言わせてもらいます!!

今日の記事は、後半部で、日本語の単語の意味の変遷にも触れることになりました。こういう教養も必要ですよね!!

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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