模擬授業で合格する秘訣とは??

教員採用試験では、模擬授業は必須です。模擬授業を課せられない県や志望科目はごくわずかです。それほど、教採において、模擬授業は重要です。

模擬授業では、受験者が児童生徒をいかに授業に惹きつけるか、興味関心をもって学びに誘いこめるかが試されます。

教採での模擬授業を考えるときに、重要なことが3つあります。

1.普段の実際の授業や教育実習とは少し異なった演出が必要。

2.普段の実際の授業や教育実習、塾の講師などで身に付いてしまった「普段の癖」をチェックし、必要なら改善することが必要。

3.パフォーマンス力と話術が何より必要。

1.普段の実際の授業や教育実習とは少し異なった演出が必要です。 このことは多くの人が見逃しています。そして、教採の模擬授業で失敗します。教採の模擬授業は本物の授業ではありません。実際の授業は子どもの学びの成立のために行いますが、教採の模擬授業は授業力を評価してもらうために行います。

言い方を変えて、少し極端に言うと、実際の授業は子どものために行いますが、模擬授業は自分のために、合格のために行います。ここの違いを理解しないで、いつも通りでいいのだろう、教育実習でやったことをすればいいという感覚では、教採の模擬授業で高得点を勝ち取ることはできません。模擬授業で不合格になる人は、ここで失敗しています。

教採の模擬授業はオーディションです。自分の授業力や指導力を採点官にしっかりと見てもらい、自分を採用してもらうという演出試験なのです。そのためには、演出度合いをいつもよりは工夫しなければいけません。

模擬授業指導や面接指導の素人はすぐに次のような間違ったアドバイスをします。「模擬授業も面接も自然な方がいい。あんまり技巧にこらずに、自然体でやりなさい。自分らしさを出せばよい。」こういうアドバイスは笑顔で聞いておいて、3秒後には忘れてください(笑)。こんな愚かなアドバイスに従っていては、みすみす合格を逃してしまいます。

確かに自然な形に見えるのがいいのは事実です。でも、自然は演出するのです。ただ、技巧にこだわると見苦しい。だから、たとえ技巧にこだわっても、そのこだわりが見えないようにするのです。これは、上手い俳優や職人さんは誰でもやっています。自然に見える演技の背後には物凄い役作りがあります。

自然に見える物作りの背後には、職人の物凄い技術や細工があります。このことに気づかないで、何も努力せず、行き当たりばったりでやることを自然体というのは未熟な言い訳であり、逃げでしかありません。ベテランの俳優や職人はそんな自然体はとりません。自然体の背後には物凄い修行があります。

模擬授業や面接も同じことです。自然体に見えるように準備をしなければいけません。あえて技巧的に見えないようにしながら、技術を磨いて授業で勝負しなければいけません。模擬授業はオーディションだからこそ、しっかりと下準備をしなければいけません。授業には「種も仕掛け」もあるのです。

「種も仕掛け」もある授業だけれども、あたかも手品のように、その種と仕掛けに気付かれないようにすることも才能です。種も仕掛けも使えないものが、「私は自然体だ」と叫んでも、無能の告白以外の意味はありません。

普段の授業通りにしようなんて努力逃れをせずに、教採の模擬授業という真剣勝負に臨むことが大切です。そのためには、模擬授業用の「種と仕掛け」の活用の仕方を学び、演習して行く必要があるのです。

2.普段の実際の授業や教育実習、塾の講師などで身に付いてしまった「普段の癖」をチェックし、必要なら改善することが必要。 誰でも普段の授業の癖というのがあります。それはそれでその人の持ち味になることもありますので、常に悪いものだとは言えません。

でも、普段の授業の癖が、教採の模擬授業の際にマイナス要因になることがあります。普段の授業や教育実習の授業は、実際の子どもを相手にしますので、現実の状況というコンテクストがあります。そのコンテクストの中では、普段の癖が有効に機能することも多いものです。

教採の模擬授業は実際の子どもはいませんし、本物の教育を行う場ではありません。従って、教育現場のコンテクストはありません。言わば、ニュートラルな場での授業演出の舞台に立つわけです。その舞台で認めてもらえるための演出力を身に付けておく必要があります。

普段の授業の癖とは、子どもの呼び方、板書をするタイミング、発問をしたときの教師の振る舞い、子どもが間違った、あるいは、見当違いの答えをした時の対処法、言葉づかい、姿勢といったものです。これらを模擬授業というオーディション用のものに高め、磨いておくことが肝要です。

3.パフォーマンス力と話術が何より必要。 模擬授業での合格点を決めるのは、なにを置いてもパフォーマンス力と話術です。教師としての自分をいかに評価してもらうか、教師としての話術でいかに聞く人の興味関心を惹きつけ、聞き手を魅了するかが問われてきます。

パフォーマンス力と話術とは、小手先の技術ではありません。あなたの教師としての魅力、教師としての資質そのものと言ってもいいでしょう。あなたの授業を聞いて、そこに感じるものがなく、あなたの話に興味も持てず、あなたが単に授業案をこなしているだけだとしたら、あなたは教師失格です。

聞き手(採点官、実際の授業では子どもたち)を魅了し、その心に響き、そして、それぞれの教科の指導目標を適切に達成することができるようなパフォーマンス力と話術は教師には不可欠なのです。

先程、私は、普段の実際の授業は必ずしも模擬授業に直結しないと言いましたが、その逆は必ずしも真ではありません。つまり、教採の模擬授業のために磨いたパフォーマンス力と話術は、ほぼ常に、実際の本物の授業のために役立ちます。子どもの心をつかむ授業をするための糧となります。

ですから、教採の模擬授業のためのパフォーマンス力と話術は磨けば磨くほど、実際の授業も上手くなりますし、あなたの授業を受ける子どものためにもなります。ですから、模擬授業の練習は、あなたの未来の教育力向上のためになりますし、あなたの未来の児童生徒の学びの成立のためでもあります。

普段の授業通りでは、模擬授業では合格点は取れない。
しかし、模擬授業で学んだ授業力は、普段の授業で大いに活かせる。

教員になるオーディションとしての模擬授業、しっかりと準備をしておいてくださいね!!

では、また明日!!


広島教採塾
河野正夫

—–

コメントはまだありません

コメントを残す

旧ブログ記事
4月は「レトリカル・パフォーマンス」の特訓で、教員採用試験の面接で絶対合格を狙います!!

レトリカル・パフォーマンスという言葉をご存知でしょうか?   あまり広く使われている言葉で …

旧ブログ記事
川上貴裕ファンの方、グッドニュースです!!自己アピール添削のプチ個人レッスンを東京で開講!!

川上貴裕ファンの方、グッドニュースです!!     川上による自己アピール添削の …

旧ブログ記事
これから1ヶ月余りは、Ryoさん三昧!!Ryoさんからパフォーマンスの力を学びましょう!!

これから1か月余りは、まさに、Ryoさん三昧です!!       &n …