金子みすゞと言葉の感性

金子みすゞさんの「こころ」という詩があります。

私はこの詩が大好きです。

こころ  金子みすず

おかあさまは
おとなで大きいけれど、
おかあさまの
おこころはちいさい。

だって、おかあさまはいいました
小さいわたしでいっぱいだって。

わたしは子どもで
ちいさいけれど、
ちいさいわたしの
こころは大きい。

だって、大きいおかあさまで
まだいっぱいにならないで、
いろんなことをおもうから。

私は、初めてこの詩に触れたときに、あまりの感動に、何十回も読み返しました。

金子みすゞさんは、とてつもなく美しい言葉の感性を持っていますね。
ここで私が言う言葉の感性とは、

1.語りの切り口
2.語りの展開
3.共感の取り方

です。

この詩の切り口は、体の大きい(大人の)お母さんと、体の小さい子どもとを対比させながら、その心の大きさが逆になっているというとても面白いものになっていますよね。

この語りの展開は、体の大きなお母さんの心は小さい、なぜなら、お母さんの心は小さい体の私のことでいっぱいだ。体の小さな私の心は大きい、なぜなら、体の大きなお母さんのことで私の心はいっぱいになっていない、という考え抜かれたものとなっています。

そして、この詩は、母が子どものことを想う愛情の大きさと、子どもの無邪気で無限の好奇心と想像力を、読む人に強烈に感じさせます。そして、なによりも、そんな子どもの可愛い姿に無限の成長を感じ、それを見守る母の愛をひしひしと感じます。読み手を確実に共感させる力があります。

リズムがあり、簡単な言葉で、これほどまでに読む人の心をつかむことができるのは、やはり、金子みすゞさんは、素敵な言葉の使い手ですね。

この言葉の感性、私たち教育者は、見習って、身に付けていきたいですね。

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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