なぜ教師になるの?

「なぜあなたはXX県の教員を志望するのですか?」という問に、多くの教採受験者は次のように答えますよね。

「XX県には自然があり、自然の美しさが・・・」

あのね、日本の都道府県の中で自然がないところがあるの?自然が美しくない場所があるの?日本の全ての都道府県には美しい自然がありますよ!!全ての都道府県に山も川もあり、ほとんどの都道府県は海にも面しています。日本は島国なんですからね!!海に面していない県にも素敵な湖や美しい山や大自然があります。特に具体的なことも言わずに、自然があるからこの県を受験しますなんて、あまりにもアホな語り。こんな答をする人が教採に落ちるんですよね。

「XX県は研修の制度が充実していて・・・」

これもアホ。研修の制度がない都道府県があるのですか?どこだって、しっかりと研修しています。だって、教員をしっかりと育てないと教育できないんですから。どの県だって相当自慢の研修制度を持っています。それなのに、自分が受ける県のホームページだけ見て、充実した研修制度があるからこの県を受けます!なんて、バカ丸出しです。というか、研修を受けるために教育公務員になるんじゃない!!働くため、教えるため、教育するために教師になりなさい!!給料もらうんでしょ!!研修があるから働きます!じゃないだろ。そんなに勉強したいのなら、大学院にでも行きなさい!!研修することは大切ですが、あくまでも仕事をすることが第一です。研修は副次的なものです。副次的なことを志望動機にするな!!

「XX県で生まれ育ったので、XX県に恩返しをします。」

アホ!! あのね、XX県はね、あなたに「恩」を売った覚えなんかありませんよ。そして、あなたに「恩」を返してもらおうなんて期待してもいません。一体、故郷に「恩返し」なんていう発想、どこから出てくるんですかね。そんなに故郷に「恩返し」したいのなら、しっかり働いて、いっぱい税金でも納めなさい!!「恩返し」したいから、故郷の県の教採を受験して、教師になるなんて、面接官として聞いたら、それこそ冷笑ものです。不合格への片道切符みたいな語りですね。

「小学校のときに素敵な恩師がいて・・・」

小学校のときに素敵な先生がいたのは幸運でしたが、そんなことを書いても志望動機にはなりませんよ。恩師の話ばかりして、最後に、「そんな恩師のような教師になりたいと思います。」とだけ付けるなんて、面接官の反感を買うだけですよ。面接官が知りたいのはあなたという人間についてであって、あなたの小学校のときの恩師の指導力について知りたいのではありません。いくら恩師についてたくさん話しても、あなたのアピールにもあなたの志望動機にもなりません。その上、こんなことを言う人は、「小学校のときの恩師」の話をしながら、高校教師志望だったりします。もう支離滅裂で、話にもなりません。教師つながりなら何でもいいんかい!!と叱りつけてあげたくなります。

「子ども一人ひとりの笑顔に寄り添いながら、あきらめないことの大切さを伝えていきます。」

出た出た!!はいはい。もうね、どこかで聞いたような聞き心地がよい言葉をつなげただけの駄文ですよね。「子ども一人ひとり」とか「笑顔」とか「寄り添う」とか「あきらめない」とか、こんな美辞麗句を寄せ集めてくだらない文をつくっても、聞き手や読み手には何も伝わりません。しかも「あきらめないことの大切さ」なんてありきたりで、誰でも知っているようなことを伝えるために教師になるなんて、アホだなあと思ってしまいますね。こんなことを書く人は、決まって、この駄文の次くらいに、「みんな違ってみんないい」とか書いています。アホか! それ、金子みすゞさんの詩の言葉じゃないか!! 盗作するんじゃない!! 志望動機文もコピペで作る気かよ!と憤ってしまいます(笑)

皆さん、志望動機とは、あなたがなぜ教師になりたいのか、教師になって何をしたいのかという志を書くところですよ。恩師との思い出話や、ちょっとしたきっかけ話、あるいは、わけのわからないでっち上げ理由(自然があるだの、恩返しだの)を書くところではありません。

採用側は、志望動機に注目しています。あなたがなぜ教師になりたいのか、教師になって何をしたいのか、どんな教育をしたいのか、どんな指導に興味があるのか、教師としてのヴィジョンは何か、そんなことを知りたいのです。そして、それを明確に話してくれる人を採用したいと思っています。

願書の添付用紙に、志望動機を書く欄があるから、仕方なくでっち上げたくだらない志望動機文を書くような人は、採用側から冷たい視線で見られます。こいつはダメなやつだな思われます。住所や電話番号でも書くようなつもりで、欄のスペースを埋めるだけの志望動機文なんて、いわば採用辞退文みたいなものです。自分から不合格にしてくださいと言っているようなものなのです。

みなさん、あなたは教師になってどんな教育をしたいと思っているのですか?

その志をコンパクトにインパクトを持って言葉にしてみましょう。

それが志望動機文です。

では、また明日!!

広島教採塾
河野正夫

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