新年度,教壇に立つ皆さんへ。「本質において一致、行動において自由、すべてにおいて信頼。」
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
教採塾の川上です。
今回のブログは、この4月から教壇に立たれている教師の方に、ぜひご一読いただければ幸甚です。
教員になる前に、私は、スターバックスコーヒー(以下、スタバ)で4年半、準社員・コーヒーマスターとして働いてきました。
スタバのミッション(存在理由)は、『人々の心を豊かで活力のあるものにするために。ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから。』というものでした。
つまり、コーヒーを売ることは、あくまで手段であって、本質は、人々の心を豊かにすることなのです。
この観点から、スタバには、コーヒーの淹れ方や清掃などの、オペレーション・マニュアルはありますが、いわゆる、サービス・マニュアルはありませんでした。
あるのは、”Just say YES”のみでした。
つまり、「道徳や法律、倫理に反しない限り、お客様が喜んでくださることは、なんでもして差し上げること。」というものです。
1996年に、日本にスタバが上陸して以来ずっと、職場でも自宅でもない『サード・プレイス』として、お客様に感動体験を与え続けられているのも、「なぜ、それをするのか。」というミッションがきちんと共有化され、細かいマニュアルがなくとも、各自が自分で考え、自らミッションに従った行動ができたからです。
ある意味では、『型破りな働きが許される環境』であった、ということでもあります。
もちろん、すべての前提として、
『本質において一致、行動において自由、すべてにおいて信頼』があってこそですが。
つまり、本質=使命をきちんと共有していれば、行動は自由であっていい、ただし、お互いの信頼がすべての前提である、ということです。
私も許される範囲内で、ルールや常識に縛られることなく、自由気ままに、ときには、新たな試みとして、型破りなこともたくさんさせていただきました。
しかし、すべては、ミッションをきちんと理解し”Just say YES”に従い、お客様に感動体験を与えることができれば!という想いからでした。
その甲斐あってか、今でも、常連のお客様から声をかけていただけますし、一緒に働いたことがない、他の店舗のPTR(スタッフ)からも、「勉強させてください!」と、お願いされることも、しばしばあります(笑)
また、常連のお一人が、県内でも有名な教師の方で、私が教師を目指していることを知っていたので、「ぜひうちの学校に!」と、急遽、臨採として採用していただき、2週間後には、担任として、教壇に上がることとなりました。
1つのミッションに従った行動・接客から、これだけの人生が広がっていきました。
余談が少し過ぎましたね!
この春、緊張と不安、期待とやる気を胸に、教師になられた皆さん。
教師になった今、「自分たちは何のために、教師をしているのか。」という、教師としての、自分たちの存在理由(ミッション)を、改めて意識してみてください。
保護者、同僚の観点もあると思いますが、一番は、子供ですよね。
子供たちを、どのように成長させるか。
そのために、どんな教科指導・生徒指導をおこなうべきか。
それぞれ皆さんに、想いがあると思います。
私からのアドバイスとしては、
皆さんは、まだ、教育界だけの狭い常識に囚われていませんので、
「自分のミッションに従って、どうぞ、好きなこと・やりたいことをやってみてください。」
ということです。
ただ前提として、道徳や法律、倫理に反しない限りにおいて、ですけどね(笑)
「こんなこといいな、できたらいいな。」と、ドラえもんの歌の歌詞にもありますが、そう感じていることに、ぜひ、一歩踏み込んでみてください。
こだわりをもってみてください。
柔軟な発想力をもって、どんどん挑戦してみてください。
個性を発揮してみてください。
社会人として、教育者として、報・連・相は必要ですが、そのたびに、先輩教員たちから、アドバイスを散々聞かされることになります。
失礼を承知で述べると、アドバイスの全てを、鵜呑みにしないことです。
もちろん、良いアドバイスや、「色々教わりたい!」と思う先輩教員がいるのであれば、ぜひ、その方から、多くを学んでください。
しかし、アドバイスの内容も、期待を込めてのプラスな内容なら良いのですが、中には、「(現場をまだ知りもしないのに)そんなの無理。やめておけ。勝手なことをするな。」というのも、あります。
その先輩教員は、あなたがその挑戦に失敗すること、ひいては、トラブル、クレーム、学級崩壊、休職などになることを懸念して、そう言っているのかもしれませんが、それは、あくまでも、その先輩教員の、経験上でのアドバイスに過ぎません。
先輩教員が「無理だ」と言うのは、「先輩教員にとって無理」だっただけで、あなたには可能かもしれません。
ときには、あなたの可能性に溢れた若さへの嫉妬、子供・周りの教員に好かれていることへの嫉妬からくるアドバイスでさえあったりします。
経験豊富な先輩の言葉が価値をもつことも、ときにはありますが、先輩たちの言葉に縛られてはいけません。
仕事は本来、一生懸命取り組めば、面白いものです。
しかし、それを阻害するものとして、閉塞的な古い固定観念や、因習が立ちはだかります。
特に、先輩教員の凝り固まったアドバイスを鵜呑みにすると、あなたの可能性や、個性がつぶれてしまうこともあります。
「みんなの個性を大切にする。みんな違って、みんないい。」と、子供達に言っている先輩教員に限って、若手教員の個性や可能性をつぶしていたりします。
人の能力は、年齢では決まりませんが、古い固定観念や因習に囚われている人は、自分の世界以外の人(特に若い人)を認めようとしません。
自分の世界以外の人は、劣っていると思っています。
なによりも、はみ出し者を許さず、和(同じ価値観)を強制します。
このような人は、早く淘汰されなければいけないと考えます。
でも、安心してくださいね!
実際、そのような先輩教員は、ほんの一握りです。
情熱をもって、崇高なミッションに従って、素晴らしい教育をしている先輩教員が、数多くいらっしゃいます。
ただ、私が言いたいのは、
色々なアドバイスの中から、あなたが「これだ!」と思うものに、耳を傾けてください、と言うことです。
これからの教師に求められる資質能力の1つとして、『情報収集、選択、活用能力』もありますからね!(笑)
さて。
教育の世界も、願わくば、『本質において一致、行動において自由、すべてにおいて信頼』であってほしいと思います。
教師としての本質=使命(ミッション)をきちんともっていれば、考えていれば、行動はある程度自由であっていいと思います。もちろん、社会人・教育者としての信頼を前提として。
このことを踏まえた上で、もう一度述べると、
ミッションに従って、どうぞ、好きなこと・やりたいことをやってみてください!
これまでの人たちができなかったことに挑戦し、新しい価値を創造し、教育界、ひいては、社会を変革していってください。
ミッション(教師の使命・存在理由)に従って、好きなこと・やりたいことをやっていくと、面白いですから。
子供達もきっと、教師としてのあなたに付いてきますよ!
では、また来週!
川上 貴裕