河野正夫が語る河野正夫の「志望動機」、新年のご挨拶に代えて。
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: 教育論
【河野正夫が語る河野正夫の「志望動機」、新年のご挨拶に代えて。】
2019年1月5日土曜日の広島校・筆記試験満点講座が、河野正夫の「仕事始め」でした。
「仕事始め」に際し、河野正夫が語る河野正夫の「志望動機」を、新年のご挨拶に代えて、お話ししました。
「河野正夫が語る河野正夫の志望動機」
皆さん、明けましておめでとうございます。
2019年が皆さんにとって、教採合格の年になるように、最善を尽くしていきましょう。
さて、教員採用試験では、しばしば、皆さんの「志望動機」が質問されます。
皆さんが、なぜ、教師なりたいのか、皆さんが志望する学校種・教科で、どんな教育をしたいのかなどが聞かれます。
教採塾でも面接講座などを中心に、教採の面接で、志望動機をどう語るかの考察を深めています。
今日は、河野正夫の「志望動機」について、お話ししたいと思います。
河野正夫がなぜ、教採塾という教員採用試験対策講座を主催しているのか、その「志望動機」についてお話しします。
実は、これまで、私は、自分自身の教採塾への志望動機について語ったことはありませんでした。
今日、ここで、皆さんに、初めてお話しします。
私が教採塾を主催するに至った「志望動機」は、3つの言葉で言い表せます。
「きっかけ」、「信頼」、「多様性」という3つの言葉です。
一つ目のきっかけについて。
人はきっかけがあれば変わることができる、人はきっかけがあれば成長することができる。私は心からそう信じています。
一見すると不可能に思えることでも、きっかけをもとにして、自分を変え、成長すれば、不可能は可能になる。そのことを信じるのが教育であると、私は考えています。
教師の役目は、学び手にきっかけを与え続けること、学び手にぴったりのきっかけを準備すること、学び手がきっかけを求めるのを諦めないようにすること、だと考えています。
きっかけがあれば、人は不可能を可能にできる、それを信じることが教育です。
二つ目の信頼について。
私は、基本、人を信じています。人間という存在を信じています。
人には必ず素晴らしいところがあります。それを信じるのも、また、教育です。
どんなにたくさんの欠点があったとしても、どこかに素敵な一面を持っているのが人間です。
人間は誰でもそうです。
教師志望者もまた同じです。
全ての教師志望者は、そのどこかに素晴らしい一面を持っています。
それは、学力ではないかもしれません。運動能力ではないかもしれません。語学力ではないかもしれません。語りの力ではないかもしれません。
でも、誰でも、何か、どこかに素晴らしい一面を持っています。
例えば、自分で自分のことを教師失格、人間失格と思っているような人に、素敵な恋人がいて、恋人に深く愛されていることもあります。恋人には、その人の素晴らしい一面が見えるのでしょう。
素晴らしい部分は、その人、その人で異なります。
100人の人がいれば、100通り以上の素晴らしい側面が見つかります。
それを信じること、それを伸ばすことが教育だと、私は信じています。
三つ目の多様性について。
人はきっかけがあり成長し、自分の素晴らしいところを見つけて伸ばし、そして、その素晴らしいところが一人一人違うのであれば、人間という存在、人類という存在自体に、多様性があるということになります。
多様性を喜び、多様性をさらに豊かにしていくこと、私は、これも教育だと信じています。
人間の社会は、ものすごく大きなジグソーパズルなのかもしれません。
人間一人一人は、それぞれ、少しずつ形が違うパズルのピースです。
誰でも必ず活躍できる場所があります。あなたでなくてはいけない活躍の場所が必ずあります。
もし、大きなジグソーパズルのピースが全て同じ大きさの正方形だったらどうでしょうか?
ピースが全て同じ大きさの正方形です。
仮に、もし、こんなジグソーパズルがあったら、一枚一枚のピースに求められることは、たった一つです。
それは、他のピースと全く同じ形、正方形であることです。
そして、どのピースがどこに行っても、全く同じものができあがります。
必要なのは枚数だけです。ピースの形ではありません。
人間の社会は、全ての人がそれぞれのユニークな形を持っています。
だから面白い。だから楽しい。だから人生は喜びと驚きにあふれています。
金子みすゞさんの詩の有名な一節に、「みんな違って、みんないい」という言葉があります。
この言葉は、「みんな違っていても、それは仕方がない」という意味ではありません。
むしろ、「みんな違っているからこそ、人の社会は素晴らしい、面白い」という意味だと信じています。
教育が、人にきっかけを与え、その人が変わり、成長することを促し、
教育が、人には必ず素晴らしい側面があると信じ、
教育が、教育の力によって、人類を、人間の社会を多様性のあるものにしていくことを、
私は心から願っています。
私の志望動機を一文で申し上げます。
私は、人間社会の多様性を、人類の多様性を、これから教師になる皆さんに託したい。
これが、私の志望動機です。
私の挨拶、聞いてくださって、ありがとうございます。
2019年1月5日
河野正夫