【川上貴裕】不合格につながってしまうような自己アピールや志望動機とは?
- By: Kyousaijuku
- カテゴリー: パフォーマンス力向上, 合格への戦略, 教育論, 面接力向上
教採塾の川上です。
11月から、教採塾の定休日が火曜日と水曜日になりました。
従いまして、私が毎週水曜日に執筆していたブログは、毎週木曜日にお引越しとなりました!
以後、毎週木曜日に、このブログでお会いしましょう!
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さて。
11月の教採塾の2次試験満点講座では、志望動機や自己アピール文を考察しています。
多くの受講生は、講座後のアンケートで、「自分が過去に落ちた理由が分かりました。」と話してくれました。
本日のブログでは、私が講座で、受講生にお伝えした総評を踏まえながら、志望動機や自己アピールに、どんなことを書くから不合格になってしまうのかを、少しだけお伝えしてきます。
① 事実を語る。
このブログで、耳にタコができるほど、繰り返しお伝えしていることですが(笑)、未だに、ほとんどの方は、事実だけを述べています。
しかも、事実を延々と時系列に話しています。
話している本人からすれば、「本当のことだもの。何が悪いのですか。」と思う方もいらっしゃいますが、事実ほどくだらないことはありません。
私からすれば、
「だから落ちるんだよ。」の一言に尽きます。
もちろん、「事実を述べるな!」というのは、「面接において」です。
面接官は、一日何十人と受験者の志望動機や自己アピールを聞いています
「恩師に憧れて・・・」
「自分の挫折を、子供たちに伝えることで、子供をよりよい方向性に導きたい。」
「子供が好きなので、天職だと思っています。」
など、このようなことを平気で語るのです。
面接官の想いは、
「だからどうした。」
「またか。」
「はいはい。」
だけです。
受験者が語ることは、もちろん事実だと思います。
ただ、それを面接官が聞いて、
あるいは、いま皆さんが読んでみて、
・こんなこと言ってくれる人を待っていた!
・あなたを採用したい!
・感動した!
と感じましたか?
面接は事実を語る場ではありません。
面接官を説得させる場です。
説得させるためには、
過去の事実はどうでもいいのです。
・どんな教育がしたいのか。
・どんな子供を育てたいのか。
・学校にどう貢献してくれるのか。
というような、「あなたを採用することでどんなメリットがあるか。」が知りたいのです。
② 二重言語話者になる。
二重言語話者とは、どんな人なのか。例を挙げてみましょう。
友人と話す時は、
「いやー、彼女とこの前ケンカしてさ。ほんと、仲直りするの大変だったよ(笑)。まぁ、おかげで、言いたいことも言えて、お互い改善しようってことでうまくまとまったけど。」
と話すのに、
例えばこの内容を、いざ面接で話すとなったら、
「私は、先日の彼女との衝突を通して、気持ちを伝え合うことの重要性を感じました。この経験を通して、相手の気持ちに寄り添って、相手の気持ちを考えて・・・。」
というような内容で語るのです。
「そんなバカな(笑)」
と笑われる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、本当に、こんな二重言語話者が多すぎるのです。
この原因は、その方が受けた小学校教育に起因するものが多いと同時に、某指導要領や某答申(笑)によるものです。
某指導要領や某答申には、
・子供の心に寄り添った教育
・○○することの重要性
・能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養う
などの熟語・フレーズが多く並べられています。
この文章を読んで、皆さんは涙を流したり、「いいね!!」と心から思ったりしたことはありますか?
自分が読んでも感動しない文章の言葉を借りて、自己アピールや志望動機を作って、果たして面接官が感動して、共感して、納得してくれるでしょうか。
③ 大事なことほど、出し惜しみする。
「私は、小学校からずっとサッカーを続けています。でも、中学の時に、けがをして、大会に出ることができませんでした。試合には出られませんでしたが、くじけず、ベンチのムードメーカーとして・・・」
このような、面接においてはどうでもいいような過去の事実に限って、ダラダラと説明をする人がいます。
しかし、逆に
・しっかりと保護者と話す。
・きちんと教える
・いろいろな経験を通して
・さまざまな困り感を
・たくさんの楽しいことが
このような、「具体的にどういうこと?」というものに限って、抽象的な表現を好みます。
ここに、「きちんと教えるとは、こういうことだ!」というように、自分なりの定義もないので、面接で追加質問を浴びると、たちまちボロが出てしまいます。
そうなると最後、「まともな想いもないから、そうやってごまかすんでしょ。」と面接官に思われて一巻の終わりです。
また、「きちんと」、「いろいろな」という言葉を使うのであれば、「これと、これと、これ!」というように、すぐに2つ3つの例が言えるようにしておかなければなりません。
むしろ、そのような抽象的な言葉でごまかすよりも、ポンポンポン!と2つ3つ言えるのであれば、そちらを伝えた方が、圧倒的に面接官に理解してもらえます。
④ 言葉の定義
上記のものと似てはいますが、私が一番感じることは、語彙力が芳しくない方が圧倒的に多いということです。
・個性の尊重とは。
・多様性を認めるとは。
・多面的と多角的の違いとは。
・子供を惹きつける工夫とは。
これらの言葉を用いて、語ったり、志望動機として書く方がいますが、やはり、追加質問を投げてみると、自分なりの定義をもっていらっしゃいません。
面接官の求めている答えを言おうと考え過ぎだと思います。
自分なりの定義があって、「それいいね!」、「そういうことか!」と面接官が納得してくれさえすればいいのです。
ちょっとそこら辺に落ちている言葉を拾ってきて、「こんなことを言えばカッコよく聞こえる。」というものを取ってき過ぎなのです。
⑤ 文字原稿と音声原稿
志望動機や自己アピールを書くまでは、よいとしましょう。
ただ、それを面接官から「30秒程度でお話しください。」と言われた時に、書いてある原稿のまま、語る方がいらっしゃいます。
記載された志望動機や自己アピールは、読み手が自分のペースで読んだり、読み返したりすることができます。
しかし、聞く場合は、相手のペースに合わせなければいけませんので、「え、今なんて言ったの?」と聞き逃す場合もあります。
面接官が聞き逃す場合の多くは、
同音異義語が含まれているため、前後の話から推測して意味を理解しなければならない場合。
四字熟語や名言が含まれているため、「聞いたことはあるけど、意味はなんだったっけ。」となったり、そもそも難しすぎて聞き取れなかったりする場合。
聞き取れない、又は、意味が理解できないものは、面接官は聞く気を失くしてしまいます。
意地悪な面接官なら、「語りも下手な人間は教師になるべきではない。」とその時点で、採点の匙を投げられてしまう可能性すらあります。
提出する志望動機や自己アピールは、文字原稿として。
面接で語る際には、聞きやすい・理解し易いように文字原稿を音声原稿に替えて、語らなければなりません。
本日は5つほど、簡単に挙げましたが、講座では、河野と川上で、かなり深く、鋭く、楽しく、講評・コメントをしております。
ブログで、6時間分の充実した講座内容を語りきることはできませんので(笑)
やはり、このブログも文字原稿ですので、音声原稿として、表情やニュアンスは伝えられませんね(笑)
こればかりは、講座をライブで聞くことができる、受講生の特権といったところでしょうか(笑)
では、また来週の木曜日に!
川上貴裕