面接における説得力とは何か?説得力さえあれば不利な経歴でも合格は楽勝です!

合格への戦略

【教員採用試験のバイブル】

 

昨日のブログ記事 では,「印象(impression)」について,お話をしました。

教員採用試験の面接で,採用側の面接官が評価し得るのは,受験者の本当の性格・人格・想いというよりは,印象から判断し得るものに過ぎないというお話でした。

だからこそ,テレビドラマなどを演じる俳優・女優のように,限られた時間内で,自分が演ずべき配役を演じきることが重要だと述べました。

 

さて,今日のブログ記事では,昨日も少しだけ述べた「説得力(persuasiveness)についてお話をします。

 

教採の面接における「説得力」を簡単に定義すると,次のようになります。

 

採用側の面接官が信じてくれるようなストーリーを語ること。

 

ここで重要なのは,「信じてくれるような」というところです。

たとえあるストーリーが真実であったとしても,それが信じてもらえなければ合格にはつながりません。

真実であることは,短時間の面接においては,大きな力を持ちません。

真実らしく聞こえることが,短時間の面接においては,大きな力となります。

 

教員採用試験の面接の受験者の多くは,ここのところをはき違えているようです。

真実を言えば,通じると思っています。

もっとはき違えている人は,なんでもいいからこじつけを言えば,なんとかなると思っています。

こういうはき違えをする人は,面接で,どんどん不合格になります。

そして,その不合格を毎年,繰り返します。

 

具体的にお話をしてみましょう。

 

例えば,志望動機です。

不合格になりやすい人が述べる志望動機は以下のようなものです。

 

小学校のときの恩師に憧れて。

XX県は自然に恵まれて。

XX県は研修が充実していて。

XX県の教育施策に感銘して。

 

こういう志望動機は,採用側の面接官は,まず信じません。

こういう志望動機は,不合格に直結します。

 

小学校の恩師に憧れたのは,もしかすると真実かもしれませんが,それが志望動機で,一生の仕事を教師にしたというのであれば,小学校を卒業以来,その恩師に会ったことがあるのでしょうか?

恩師がご存命でなければ,致し方ありませんが,ご存命で,いまも,教師をしていらっしゃるのであれば,教師を目指す立場になって,その恩師と,「教師対教師」で話してみたいとは思わないのでしょうか?

本当に,教師になる志望理由が「恩師に憧れて」なのであれば,教師を目指す立場として,恩師と教育談義を楽しみたいのではないでしょうか?

多くの人は,恩師に会いに行く手間もかけていません。

せいぜい,教育実習のときにちょっと話したくらいです。

こんな志望動機を誰が信じるでしょうか?

単なるこじつけです。

 

XX県は自然に恵まれているから,そこで教師になるなんて信じる面接官はいませんよ。

日本のどの都道府県だって,豊かな自然があります。

XX県だけ自然に恵まれているなんてあり得ません。

そして,こういうことを言う人に限って,あまり自然には興味がありません。

その県に,どんな国立公園・国定公園があるのかも,植生も何も知りません。

こじつけだからです。

 

研修が充実しているからなんて,もってのほかです。

そもそも,教師になるというのは教えるという仕事をするためになるのであって,研修で勉強するためになるのではありません。

また,教員の研修は,法律上の義務であって,どの都道府県でも,研修はそれなりに充実しています。

それでも,ある県の研修が充実しているというのであれば,その県の研修を他の県の研修と比べてみたのですか?

比べたことなどないはずです。

こういうと,愚かな人は,「だって,その県の教育委員会の人が,『うちは研修も充実しています』と説明会で言った」と言います。

もちろん,その県の教育委員会は,そういうことを言うかもしれませんが,それは,採用側のアピールとして言っているだけで,受験者側がおうむ返しに使える言葉ではありません。

ほとんど,「つまらないものですが」と贈り物を差し出した人に,「つまらないもの,ありがとうございます」と受け答えるようなものです。

こういう人が,不合格になる典型例です。

そもそも,社会的な会話のマナーさえ,わかっていないのですから。

 

愚かな指導者に限って,「その県の教育施策に触れろ」とアドバイスするそうです。

本当に愚かなことです。

もちろん,その県の教育施策に本当に感激し,その施策に関して,その県の教育委員会がやっている公開授業(研究授業)やシンポジウムや研修会などに何度も参加し,報告書や実践報告などを読み漁っているというのであれば,まだわかります。

でも,ほとんどの人は,その県のパンフレットで見ただけ,ちょこっとホームページで見ただけくらいなのに,その施策に感銘を受けたなどと語ります。

はっきり言います。

教育委員会の人は,その施策の主催者であり,担当者とも言えます。

その施策の実践例を見たこともない,受験者が,その施策に感銘を受けてなどと言っても,信じてもらえるはずがありません。

とりあえず,施策に触れておけなんて言う愚かな面接指導者の助言を聞いていると,不合格になりますよ。

 

説得力の根幹は,あなたの話が信じてもらえるかどうかです。

真実であるかどうかは,はっきり言って関係ありません。

と言っても,特に,ウソをつけと言っているわけではありません。

しかし,聞き手である面接官に信じてもらえることを言う必要があります。

 

これは,ユニークな経歴を持っている人には絶対,かつ,必須の合格条件です。

 

民間企業で長期間,働いたあとで,教師を目指す。

もともとは,中学校・高校の専門教科の志望だったのに,小学校を目指す。

長い間,教師経験にブランクがあったけれど,教師に復帰する。

一見すると不利に見えるバックグラウンドがある。

 

こういう人は,採用側の面接官が納得する「転職理由」を示す必要があります。

でも,実際は,こういう人が語る「転職理由」は,ほとんどが「こじつけ」です。

だから,不合格になるのです。

 

こういう人の転職理由を,私が「こじつけ」だと言うと,こういう人は「でも真実です!」と高らかに宣言します。

だから,不合格になるのですよ。

真実かどうかではなく,採用側がその転職理由を信じてくれるかどうかです。

 

ちょっと無茶苦茶なたとえをしましょう。

もし仮に,あなたが,血を流して倒れている人のそばで,血がべっとりとついているナイフを持って立っているとします。

ほとんどの人は,あなたが犯人だと思うでしょう。

もし,本当にあなたが犯人でないのであれば,なぜそこにいるのか,なぜそのナイフを持っているのか等について,ものすごく説得力がある説明をする必要があるでしょう。

こんな時に,あなたが,「わたしは,いつもこういう不思議な場面に遭遇するのです。」とか「これまで経験したことのない経験をするのが好きなのです」(笑)などと言っても,誰も信用してくれないでしょう。

 

 

ちょっと無茶なたとえだったかもしれませんが,ユニークな経歴がある人の,転職理由の確立は芸術のようなものです。

 

真実を語るだけではなく,真実を語りながらも,採用側が納得し,「なるほど。そういう理由で教師を目指しているんだね。よくわかりました。是非,教師として頑張ってください。応援しますよ!」と言ってもらえるような転職理由でなければなりません。

 

ユニークな経歴・バックグラウンドがある人は,説得力のある転職理由を述べることが必要です。

でも,何度も言いますが,こういう人に限って,こじつけしかいいません。

そして,面接官に信じてもらえず,不合格になります。

 

これが,コミュニケーション理論やレトリック理論を理解していない人(受験者&指導者)の悲劇です。

 

コミュニケーション理論やレトリック理論は,ある語りが真実であるかどうかを,さほど重視しません。

コミュニケーション理論やレトリック理論が重視するのは,その語りが聞き手を説得することができるかどうかです。

納得してもらえない語りでは,それが真実であるかどうかはどうでもよいことです。

ウソをつけとは言いません。

でも,信じてもらえない語りに価値はありません。

説得力のない語りは,語るだけ時間の無駄です。

相手を説得できない語りは,「百害あって一利なし」なのです。

 

ちょっと無茶なたとえとして,血がべったりのナイフを持って立っている人の話をしました。

ドラマや映画などでは,この人はその場で警察に逮捕されますが,有能な弁護士が出てきて,この人の無罪を勝ち取ります(微笑)。

有能な弁護士は,裁判でこの人が無罪であるわけを,真犯人ではないわけを,雄弁に語ります。

この語りが,こじつけではない,説得力のある語りです。

 

血がべっとりと付いたナイフを持って立っている人は,有能な弁護士が必要なように,不利な経歴・バックグラウンドを持ちながら教員採用試験を受験する人は,有能な教採合格コンサルタントが必要です。

 

そんな方は,是非,河野正夫のコンサルティングを受けてください!

 

 

では,また明日!!

 

 

 

教採塾

河野正夫

 

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