ソムリエはワインは作れません。グルメはシェフにはなれません。面接官は面接の語りを創れません。

面接力向上

今日のブログ記事で、お話しすることはとても大事なことです。

でも、多くの人が誤解しています。

そして、その誤解が、不合格という悲劇を生んでいます。

皆さんの教員採用試験での合格のために、特に力を入れて、今日のブログを書きますね!

 

皆さん、考えてみてください。

 

ソムリエは、ワインに精通しています。

ワインを一口、口に含むだけで、ワインの生産地や銘柄、ヴィンテージなどを言い当てることができます。

そのワインの風味や味わいをソムリエならではの言葉で表すこともできます。

ソムリエは、ワインの味の評価の専門家です。

でも、ここで重要なことがあります。

ソムリエは、ワインの味の評価の専門家ですが、ワイン造りの専門家ではありません。

つまり、どんなに優れたソムリエでも、通常は、ワイン・メーカー(ワインの作り手)として、活躍することはできないでしょう。

ワインの味がわかるということと、ワインを作ることができるということは、全く違うことです。

 

 

また、世の中には、グルメと言われる人がいます。

グルメは、一般には、美味しい料理を好み、料理の味の評価者として、素晴らしい腕前を持っています。

グルメの中には、料理を一口食べたら、どのような食材を使っているかがすぐにわかる人もたくさんいます。

でも、グルメは、シェフ(料理人)にはなれません。

グルメは、料理の味がわかり、料理の良し悪しは評価できても、美味しい料理を調理することはできません。

ソムリエと同じく、グルメもまた、料理の味がわかるということと、料理を作ることができるということとは、まったく違うことです。

 

もちろん、中には、もともとワイン造りの専門家でソムリエとしても有能な人がいるでしょうし、優れたシェフで、素晴らしいグルメという人もいるでしょう。

でも、これは、もともとがワイン造りの専門家、優れたシェフからスタートしています。

このことで、ソムリエがワインを作れることにもなりませんし、グルメが美味しい料理を作れることにもなりません。

 

ここまでは、誰でも容易に理解できます。

さて、教員採用試験に、直接、関わり、ものすごく重要なのは次のことです。

 

面接官は、面接の語りの良し悪しは評価できても、面接の語りを創り上げることはできないということです。

面接官は、ほとんどが管理職経験者ですから、人材を見る眼はあるでしょう。

人と話して、その人の優秀さを判断する眼は持っているかもしれません。

でも、そのことと、面接官が、効果的な面接の語りを創り上げることができるということは、全く違うことです。

面接官は、効果的な面接の語りを創り上げることはできません。

面接官は、効果的な面接の語りを指導することはできません。

 

ソムリエは、ワインのテイスティング講座は主催できるでしょうが、ワイン造りの研修はできません。

グルメは、グルメイベントをレストラン等で主催することはできるでしょうが、料理教室を主催することは難しいでしょう。

 

同じように、面接官は、面接の場で、優れた人を選び出す能力は持っていても、面接の語りを創り上げ、聞き手の心を動かす言葉を操る能力は持っていません。

 

それなのに、教採対策講座のあちこちで、「元面接官が指導する!」といった宣伝文句が踊っていますが、はっきり言って、噴飯物です。

面接の語りを指導できる専門家でない人が、指導しているということを主張しているようなものですから。

でも、多くの教採受験者は、「元面接官が指導する!」という宣伝文句にだまされてしまいます。

 

元面接官は、優秀な校長先生や、教育委員会の管理職の方かもしれませんが、コミュニケーション戦略のプロではありませんし、レトリックの名人でもありません。

もちろん、中には、国語の先生出身などで、コミュニケーションのプロ、語りのプロといった方もいらっしゃるとは思いますが、面接官全体からすると、比較的、少数です。

 

面接官を経験していらっしゃる指導者の方を侮辱するつもりは全くありません。

私がここで言いたいのは、「元面接官」というステータスだけでは、面接の語り(コンテンツとデリバリー、レトリックとパフォーマンス)を効果的に指導する能力の保証にはならないということです。

 

繰り返しますが、面接官を経験した方は、どの語りが良いか、どの雰囲気が良いかということは判断できますから、受験者の面接の語りを見てもらって、コメントや評価をもらうという点では、とてもメリットがあります。

そういう意味では、是非、元面接官の指導者に見てもらってください。

 

でも、「では、どう語れば合格できるのか?」、「印象を良くするにはどうすればいいのか?」、「レトリック戦略やパフォーマンス戦略を駆使して、好感・共感・好印象を取るには、具体的には何をすればよいのか?」を詳細に語り、実際に示すことは、元面接官には、ほとんどの場合できません。

 

元面接官にその能力があるかどうかは、次のことをチェックしてみてください。

 

(1)元面接官を宣伝している指導者の語りそのものが、人を惹きつけ、感動させるような語りになっているか?

(2)受験者があまりよくない語りをしたときに、元面接官を宣伝している指導者は、瞬時に、受験者が感動するような語りに言い換えてみてくれるか?

(3)元面接官を宣伝している指導者のアドバイスや添削を反映した面接の語りが、単に無難だというだけでなく、読む人、聞く人の多くを感動させるようなものになっているか?

(4)元面接官を宣伝している指導者は、面接の語りのコメントや批評はするが、では、具体的にはどう変えたらいいかという受験者の質問に、「それは自分で考えなさい」などと言わずに、具体的な改善策や言い換え例を提示しているか?

 

上記のチェック項目にNOが続くようでは、その元面接官の指導者は、面接の語りの評価者としてはともかく、面接の語りそのものの指導者としては、能力も資質もありません。

 

誤解しないでくださいね。

元面接官を非難しているのではありません。

優れたソムリエでもワインは作れないように、優れたグルメでも料理は作れないように、優れた面接官も面接の語りを創り上げることはできないのです。

 

もちろん、優れた面接指導ができる元面接官の方もいらっしゃいます。

指導者を選ぶのは学習者の基本的な権利です。

有能な指導者を選んでくださいね!!

 

 

では、また明日!!

 

 

教採塾

河野正夫

 

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