志望自治体の求める教師像・人物像にある言葉をそのまま使ってしまうと大失敗しますよ!!

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教員採用試験の面接対策には、迷信というか、都市伝説というか、ずっと言われ続けているけれど、実際は、間違っているアドバイスがあります。

 

こうした間違ったアドバイスに従っていると、大失敗をしてしまい、せっかくの合格のチャンスを逃してしまうことになります。

 

 

面接対策や自己アピール書等の対策で、最も有名で深刻な間違ったアドバイスとは、次のようなものです。

 

 

志望動機文や自己アピール文などには、志望自治体の「求める教師像・人物像」や「教育施策」の文言を引用するような形で書くとよい。

 

 

はっきり言って、こんな愚かな助言に従っていたら、せっかくのあなたの面接の語りや、志望動機文・自己アピール文が台無しになってしまいます。

 

 

確かに、志望自治体の「求める教師像」や「教育施策」は、しっかり読んでおく必要があります。

 

そして、その「求める教師像」にあった自分を演出し、また、その「教育施策」に従って教育ができそうな自分を演出することは必要です。

 

でも、「求める教師像」や「教育施策」にある言葉をそのまま直接、引用して、自己アピール文や志望動機文を作るなど、愚かの極みと言わざるを得ません。

 

 

考えても見てください。

 

 

仮に、あなたの自治体が発表している、求められる教職員像が次のようなものだったとします。

 

 

 

 

ここにこう書いているからと言って、あなたの自己アピール文や志望動機文に、次のようなことを書いても、まったく意味はありません。そんなことをしたら、むしろあなたの評価を著しく下げることになります。

 

 

「私には高い倫理観と豊かな人間性があります。」

 

「子供に対する教育的愛情と教育に対する使命感を持って、教育を行います。」

 

「私には、確かな授業力があります。」

 

「私には豊かなコミュニケーション能力があります。」

 

「私の長所は新たなものに積極的に挑戦する意欲を持っています。」

 

「私は、他の教職員と連携・協働し、組織的に職務を遂行できます。」

 

 

上記のような文を自己アピール書に書いたり、面接で語る人は、はっきり言って、バカです。

 

志望する自治体が発表している、求められる教師像の言葉をそのまま使って、私にはそれがあります!と言っても、採用側の面接官が信じてくれるわけではありません。

 

むしろ、求められる教師像の言葉をそのまま使った受験用の作文をしただけなのだなと軽蔑されてしまいます。

 

一昔前に流行った、「STAP細胞はあります!」と声高らかに言うのと同じようなものです(笑)。

 

証拠がなければ、エピソードがなければ、本当の想いを立証する言葉がなければ、志望自治体の求められる教師像の言葉をそのまま使っても、無価値であるだけでなく、自分の信頼性を低めることになります。

 

 

採用側の面接官は、当然、自分たちの教育委員会が求める教師像・人物像は知っています。それを表している言葉も知っています。

 

確かに、採用側の面接官は、求める教師像・人物像に合致する人材を探していますが、そのことは、求める教師像・人物像に書いてある言葉をそのまま唱える人を探しているということを意味しません。

 

志望自治体の求める教師像・人物像に合致している人とは、その人のこれまでの人生でのエピソードや、その人がやってみたいと思っている教育や、その人の教育への想い、どんな子供を育みたいかの想い、そういうものを聞いて、この人なら!と感じられる人です。

 

 

「私には高い倫理観と豊かな人間性があります。」などと言っても、面接官は、「はい。はい。求められる教師像の言葉をそのまま言っているだけだな。こいつはダメだな。」と思います。

 

もし、本当に、自分の倫理観や豊かな人間性があることを伝えたいのであれば、むしろ、自治体が使っている言葉は直接、使わずに、自分のエピソードや想いで表現すべきです。

 

例えば、自分には高い倫理観と豊かな人間性があるということを、面接官に感じて欲しいのであれば、次のようなエピソードを語るべきでしょう。

 

 

私は本を朗読するのが好きで、自宅近くの公立図書館で、視覚障がい者のための対面朗読サービスのボランティアを6年間続けています。

 

 

こういうエピソードを語る方が、この人には豊かな人間性があるな!とか、なんとなく倫理観を感じる!という風に思ってもらえます。

 

(注: 対面朗読とは、視覚障がいなどにより活字による読書が困難な人に、朗読協力者が資料を読むサービスのこと。朗読協力者は、利用者のプライバシーを守ることが義務付けられている。)

 

 

ここで重要なのは、こういうエピソードを語った後で、決して、「これを活かして」、とか、「これで学んだ倫理観や人間性を活かして」などと続けないことです。

 

それをやってしまうと、すべてが台無しです。

 

あえて言わずに、自分のエピソードなどを語ることによって、面接官に、「うん。この人なら、倫理観も豊かな人間性もありそうだな!」と感じてもらうことが必要です。

 

そう感じさせるようなエピソードを、そう感じさせるような言葉によって語る必要があるのです。

 

 

同様に、「私には豊かなコミュニケーション能力があります。」と言ってもダメです。

 

それより、例えば、

 

 

「私は居酒屋でアルバイトをしていますが、私には酔った人と上手く語れる才能があるようです。他の人が手に負えないと感じるようなひどく酔ったお客様でも、私が話をすると、にこやかに対応してくださり、『酔ったから、そろそろ帰ろうか』と言って、引き上げてくれます。」

 

 

というようなエピソードを示す方が、よほど、コミュニケーション能力の高さを感じてもらえます。

 

もちろん、この場合も、「この経験を活かして」などと続けてはいけません。

 

 

本日のブログ記事のまとめを書きます。

 

(1)志望自治体の求める教師像・人物像にある言葉をそのまま使ってはいけない。

 

(2)求める教師像・人物像に合致すると面接官が感じるような経験やエピソードや想いを語る必要がある。

 

(3)「これを活かして」という言葉は禁句である。

 

 

 

では、また明日!!

 

 

 

 

教採塾

河野正夫

 

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