真面目に教採の準備をしているのに、なぜ、2次試験で不合格になるのでしょうか??(不都合な真実)

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今日から11月です。

 

来年の夏の教員採用試験の準備と勉強を始めるなら、11月からです。

 

来年の7月の1次試験なら、8か月余りあります。8月の2次試験なら9か月余りあります。

 

この期間を使って、教員採用試験に確実に合格する準備と勉強をしていきましょう。

 

 

このブログも、今日からはさらにグレードアップして、皆さんが教採に合格するために有用な情報をどんどん発信していきます。

 

これからは、時に耳に痛いことも、はっきりと発信します。

 

このブログは、教採塾の人気取りのためのブログではありません。

 

このブログは、読者の皆さんが、教員採用試験で合格を勝ち取っていただくために有用な情報を発信するブログです。

 

調子のいいことばかり書くのではなく、厳しいこともしっかりとお伝えしていきます。

 

 

さて、11月1日のこのブログ記事のテーマは、

 

 

真面目に教採の準備をしているのに、なぜ、2次試験で不合格になるのでしょうか??

 

 

です。

 

 

今日は、ケーススタディ方式で、「不都合な真実」に迫ってみましょう!!

 

 

 

 

【ケース・シナリオ】

 

Aさんは35歳。国立大学の理学部出身。学部を卒業後、大学院に進み、物理学を専攻する。学部時代に、「ついでに」という発想から、中高の数学の免許を取得する。なぜ理科ではないのかは深く考えなかった。単位の取りやすさ等で数学の免許を取得。

 

大学院を修了後、就職活動で、大手電機製品メーカーに就職。特に、大学院の研究を活かすという意味合いではなく、内定をもらったので、その会社に。

 

会社では、主に営業を担当してきた。約10年、その会社で営業の仕事をしてきたが、このままずっと会社員でいるのも希望が持てないし、大手電機メーカーと言えども、現在の流れでいけば、会社の将来が絶対安泰ということでもない。

 

そこで、この機に身分も収入も安定している教育公務員がいいと思い、転職することを決断した。

 

偶然、数学の免許を持っているので、中学校数学で受験することにする。出身が大都市圏なので、採用枠もそんなに少なくない。

 

現在は、営業でかなりの成績を上げているので、いま、教師になると年収はかなり下がるが、将来的なことを考えると、教育公務員の安定さは悪くはない。

 

しかし、いったん会社を辞めて受験するのは、やはり怖いので、会社に在職したまま、教採を受験することにした。

 

 

【スタディ】

 

さあ、このケースシナリオのAさんは、教採に合格するでしょうか?

 

はっきり言って、合格する可能性はかなり低いのです。

 

なぜ合格しないかというと、最大の理由は、Aさんには、一貫性がないからです。

 

 

大学と大学院で物理を学んだのは問題ありません。

 

でも、単位が取りやすかったという理由で(たとえ、面接ではこのことは言わないにしても)、数学の教員免許を取ったことの整合性がありません。

 

もし、どうしても数学の教師になりたいから、在席の学部・院の専攻にかかわらず数学の免許を取ったということであれば、大学院修了と同時に数学の教師を目指していれば、それならば、整合性や一貫性はあったでしょう。

 

でも、Aさんの場合、とりあえず、数学の教員免許を取得しておいただけで、数学教師になる気はありませんでしたし、大学院終了後の行動(経歴)がそれを物語っています。

 

大学院修了後、大手のメーカーに就職したことは悪くありません。就活では、それなりに成功したと言えるのかもしれません。

 

また、日本では、大きな会社に入ると、研究者として入社しない限りは、大学院の専攻が活きる部署に配属されるとは限りません。

 

大学院で物理学を学んでいても、営業に回されることは日本の会社では普通です。

 

Aさんは、その会社で、10年間、営業職として、かなり良い成績をあげているようですので、会社員としては、優秀なのでしょう。

 

でも、10年の月日が流れて、Aさんは、会社員としての将来に希望が持てなくなり、また、会社の将来もそんなに安泰ではないと考えます。

 

だから、教育公務員である教師になろうと決意します。

 

Aさんにとっては、ロジカルな考え方かもしれませんが、採用側から考えると、採用したい人材には映りません。

 

まず、そもそも、Aさんの35年間の人生で、教師になろうという意欲や想いが出てきたのは、つい最近です。

 

大学時代も教師になろうというつもりはなく、数学の教員免許も、特に教師になろうという意味合いではなく、取れる資格は取っておこうというものでした。

 

また、その教員免許自体も、Aさんが学部や大学院で勉強したことと直接は関係のない、「取りやすい」免許でした。

 

Aさんは、10年間、優秀な会社員でしたが、教師として、数学教師として、活用できる資質や能力、あるいは、経験は何一つしていません。

 

こんなところで、「キャリア教育に活かす」なんてこじつけても噴飯物です。誰もまともに相手にしてはくれません。

 

そして、おそらく、Aさんは、本当は数学教育にはそんなに興味はないはずです。

 

もしかしたら、数学自体も、そんなに得意ではないのかもしれません。

 

とりあえず、中高数学の教員免許を持っているから、教採を受験しているだけです。しかも、採用定員が多い中学校数学を受験しようとしています。

 

 

採用側の面接官は、きっと次のように思うでしょう。

 

「教員は、会社員を続けたくなくなった人の転職の逃げ道ではない。単に身分と収入が安定しているからといって、教育にも、数学にも熱意がない人に教師になってもらっても困る。」

 

きっとAさんも、そう思われるということは予想しますので、いろいろと考えます。

 

例えば、休日のボランティアで小学生に野球を教えていて、教育に興味をもったとか、会社に職場体験等でやって来た中学生を見て、中学校教育に興味をもったとかです。

 

はっきり言います。

 

こじつけです。誰も信じてくれません。誰も相手にしてくれない程度のこじつけです。こんなことを言うから、不合格になるのです。

 

そもそも、一貫性も整合性もない教師志望なのに、見え透いたこじつけで合格させてもらおうとする、そういうところが、採用側に嫌われます。

 

仮に、Aさんが、数学の専門教養や、教職教養で高得点を取っていなければ、「やっぱり、こいつはダメだな」と思われる可能性だってあります。

 

さらには、教採に合格するまでは、会社を辞めないというので、やはり、単に将来の安定だけを狙った転職だと思われます。

 

 

では、Aさんの場合、どんな要素があれば、合格に近づくのでしょうか?

 

Aさんにこうすればよいというアドバイスではなく、ケーススタディ的に分析してみます。

 

 

Aさんの過去は変えられません。過去の経歴についてウソをつくことはできません。

 

でも、現在と未来は変えられます。

 

例えば、Aさんが、10年間、会社員をやっていて、ある理由で(ここは深く考えなければいけませんが)、どうしても政治・経済(公民)を高校生たちが勉強しなければならないということを感じたとします。

 

そこで、会社員をしながら、通信制の大学等で、あらためて高校公民の教員免許を取得して、高校公民の教師を目指すというのであれば、少なくとも、政治・経済(公民)の重要性に気づいて、公民を教える教師になりたくなったのだなと思ってもらえる可能性が高くなります。

 

また、合格しやすい中学校社会ではなく、高校公民をあえて選んでいるというのも、本気度を表す上ではいいかもしれません。

 

さらに、もし、Aさんが、一念発起して、10年間務めた会社を退職して、常勤講師、あるいは、非常勤講師として、高校公民を教えながら、教採を受けるというのであれば、Aさんの本気度を示すことができるかもしれません。

 

 

でも現実は、ケーススタディほど、簡単にはいきません。

 

もしかすると、Aさんの会社での仕事は忙しすぎて、別の教科の免許を通信制で取得することなど困難かもしれません。

 

もしかすると、Aさんは、家庭の事情で、教採に合格することなく、会社を退職して、不安定な非常勤講師になることは、経済的にできないかもしれません。

 

もしかすると、Aさんは、数学以外に興味を持てる科目がないかもしれません。

 

 

現実とはこんなものです。

 

では、厳しい現実があり、Aさんの経歴の場合、Aさんは、絶対に教採に合格することはできないのでしょうか?

 

確かに、合格する可能性はあまり高いとは言えません。

 

 

でも、合格する可能性を一気に向上させる戦略はあります。

 

 

「戦略はあります」と書きましたが、実は、この戦略、これまで、ほとんど使ったことはありませんでした。

 

なぜ使わなかったかというと、まずは、その受験者の安易で安直な想いを粉砕するところからスタートしなければならないからです。

 

つまり、「そんないい加減な想いで、そもそも教採に合格するわけがない。採用側も合格させないだろうし、そもそも、この私(河野)が考えても、あなたに教師になってほしいとも思わない。」というところをスタートにする必要があるからです。

 

なかなか、これに耐えられる人はいないので、これまでは、この戦略ではなく、概ね、次のような戦略で指導していました。

 

 

ライフストーリーを構築し、そのライフストーリーに一定の整合性や一貫性を持たせる戦略。

 

面接の語りをレトリック的にインパクトがあり、好感・共感が取れるものにする戦略。

 

パフォーマンス能力を高め、表情や話し方、外見で、イメージを向上させる戦略。

 

 

確かに、この3つの戦略で、不利なバックグラウンドがある人の4分の3くらいは、合格していきます。

 

でも、今回のケーススタディで扱ったAさんの場合、この3つの戦略では上手くいかないものと考えます。

 

 

Aさんの場合は、上記の3つの戦略に加えて、もう一つ、戦略が必要です。

 

 

スクラップ&ビルド戦略です。

 

 

スクラップ&ビルド、つまり、いったんすべてをぶち壊して、新しく創り直すということです。

 

これは単にライフストーリーを書いて、整合性と一貫性を持たせるということではありません。

 

Aさんの場合なら、過去の経歴や事実は変えられませんが、Aさんのいまある想い・動機・ロジックを完全にぶち壊し、新しいものに創り直す必要があります。

 

単に、頭の中の考え方だけではなく、それを行動にも反映さえるようにプロデュースする必要があります。

 

詳しく書いていると、膨大な量になりますので、ここでは書きませんが、スクラップ&ビルド戦略は、教採に関するその人の人格を変えることに匹敵します。

 

もちろん、その人の人格そのものや性格は、何をしても変わらないのですが、教採を受験するにあたっての人格を創り変えるという荒療治です。

 

とても大変で、心理的な苦痛も伴うので、滅多にやりませんし、やってほしいという受験者も現れません。

 

過去にこの戦略で指導した人は、ほんのわずかです。

 

その人たちは合格はしましたが、もう一回やれと言われると、私もその人たちもやりたくないと言うしかないでしょうね。

 

 

いろいろ書いてきて、最後は濁すのかとお思いの方、ごめんなさい。

 

スクラップ&ビルド戦略は、このケースシナリオよりも、もっともっと具体的な情報・ファクトが必要なのです。

 

一般論では語れないのです。

 

その人の教採にかかわるあらゆる情報・ファクトを集めてからでないと、スクラップ&ビルド戦略はできないのです。

 

 

誤解しないでくださいね。

 

「続きは個人レッスンで!」とか、「講座に来たらお教えしますよ!」というようなことを言うつもりは全くありません。

 

スクラップ&ビルド戦略は、できることならやりたくないので。

 

念のため。

 

 

追記: 今回のケースシナリオに登場したAさんは、まったくの架空の人物です。過去の教え子に同じ経歴の人がいたという事実はありません。

 

 

 

では、また明日!!

 

 

 

教採塾

河野正夫

 

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