世の中、一部の英語指導者が、自分の本を売ろうという目的なのか、自分のセミナーに人を呼ぼうという目的なのか、英語は「中学校英語で十分」という触れ込みで語ることが多いですよね。
「中学校英語で十分」なんて言われると、ならば自分でもできるかなと本を買う、英会話セミナーに行くみたいなことになるのでしょうね。
でも、はっきり言っておきますよ。
中学生英語ではダメですから!!
確かに、アメリカなどでは、政治家は、中学生にも分かる話し方で話すといったことが言われることがあります。でも、その中学生というのは、英語を母語にしているアメリカ人の中学生ですからね!!
日本の中学校の英語のレベルは、英語でいうとごくごく初歩です。語彙も1,000語くらいです。
もちろん、中学校レベルでも、「やあ、ジョージ、元気かい?」くらいは言えます。
また、ちょっとした買い物くらいはできるでしょう。
でも、それは英語ができる・話せるということではありません。
どうしても、日本人は、英語で話すということは、「ハーイ、ジョージ」の延長線上で考えます。でも、それは、単なる挨拶会話です。
私たちは、母語の日本語で話すときも、もちろん挨拶会話はしますが、会話の本体は、しっかりしています。
例えば、「イスラム国は残酷なことをするよねえ。こういった状況じゃあ、なかなか外国旅行も怖くてしたくなくなるよね」とか、「新車を買おうと思っているんだけど、やっぱりハイブリッド車がいいかなあ。でも、車体の価格が高いから、やっぱりガソリン車の方がいいのかなあ。どう思う?」なんて感じの会話ですよね。
会話の最初は、挨拶かもしれませんが、会話自体は、相当程度、知的かつ現実的な内容です。
中学校英語で十分という方々は、こういう会話を想定していないようですね。結局は、「やあ、ジョージ、元気かい」の延長線しか考えていないようです。英語では、政治や経済や文化を語らなくてもいいと言わんばかりですね。
本当は、そうは思ってはいないのでしょうが、政治や経済や文化を語るためには、まず、ボキャブラリが必要です。日本の中学生の英語の語彙レベルではまず無理なのです。語法や表現においても、政治や経済を語るのであれば、あまりぶっきらぼうに語らず、少しぼかしたり、皮肉を言ったり、ユーモアを交えたりしますから、仮定法などのやや洗練された語りの技法が必要になってきます。
何でもかんでも、中学校英語のようなシンプルな構文で話すというのは、知的な会話にはふさわしくありません。
中学校英語で十分だと言っている人の経歴を見ると、ものすごい語学力の持ち主が多いようです。ご自身は、しっかりとした語学力をお持ちなのに、中学校英語で十分だなどと、あまりにも無責任なことを仰っているのです。
だから、意地の悪い私などは、自分の本を売りたい、自分の英会話セミナーに人を呼びたいから、わざとそう言っているのでしょうと疑ってしまうのです。
もう一度、はっきりと言っておきますね。
中学校英語では、知的な英会話はできません。
中学校英語では、世の中のことは語れません。
中学校英語では、ディスカッションはできません。
だから、中学校英語以上の英語をどんどん学んでいく必要があります。
世の中の、英語指導者のプロフェッショナルの方々、「中学校英語で十分」なんて、言わないでくさいね!!
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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