実際の学校現場の教師に、最新の現場事情を聞くというのは、とてもためになります。また、教科指導のコツや生徒指導の裏ワザなどを教えてもらうのも大いに勉強になります。
こういう意味では、現職教員が主宰してくれている勉強会に参加するのは大いにメリットがあります。
ただ、一つだけ気を付けて欲しいことがあります。
それは、現職教員は教員採用試験のことをあまり深くは知っていないということです。
確かに現職教員は教員採用試験に合格して採用されているのですが、教採を受験したのは、1回か2,3回程度の人がほとんどです。
自分がなぜ合格したのか、自分のどこが評価されて合格したのかを、合格者は知っていません。
はっきりと言います。教採に合格した現場の教師は、教員採用試験に関してはまったくの素人なのです。
ですから、現職教師に、現在の学校現場の事情や、教科指導や生徒指導のノウハウを聞くのは大いに参考になるのですが、教採の勉強法や面接の戦略について、現職教師に聞いてもあまりメリットはありません。
しかし、現職教師は、後輩思いで親切ですから、いろいろとアドバイスをしてくれます。特に面接指導などを現職教師から受けるときは、要注意です。
教採に合格した現職教師は、自分の教採での面接のどこが良かったのか、どこが悪かったのかを知る由もないのです。確かに、合格はしましたが、彼らの何が彼らを合格に導いたかを彼らは全く知りません。
現職教師が教採の面接指導でアドバイスしてくれることのほぼ100%は、彼らの思いつきです。面接の素人としての思いつきです。
親切でアドバイスをくれている現職教師の悪口を言うつもりはありません。でも、彼らのアドバイスを絶対のものとして信頼しないでください。信頼しすぎることは危険です。
信頼できる演習相手として、協力してもらうというのであれば、強い味方になります。大いに演習相手として現職教師に頼ってください。
ただし、彼らの面接の内容や話術に関するアドバイスは、話し半分で聞いてください。彼らはコミュニケーションのプロではありません。彼らはスピーチライターではありません。彼らは面接指導のプロではありません。
どうも、教育の世界では、教採に合格して教師になると、教員採用試験について指導ができる資格を手にしたと錯覚する人もいるようですが、とんでもない間違いです。
あくまでも教採については素人だけれども、学校現場・教育現場をよく知っている先輩教師として、話を聞いてくださいね。
せっかく教採の面接戦略を基にして、面接のための想いや語りを築き上げたのに、先輩教員の思いつきの助言を信じて、いい加減な語りに変えてしまっては、合格するものも合格しなくなります。
厳しいようですが、これが現実です。
意地悪なようですが、プロフェッショナルな世界とはそういうものです。
何を信じて、教採を受験するのか、しっかりと見極める必要がありますよね。
では、また明日!!
広島教採塾
河野正夫
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