歌手、俳優、声優、アナウンサー、司会者などなど。
もちろん、教師も声を使ってする仕事です。

でも、とても不思議なことがあります。

歌手や俳優などは、徹底した発声法の特訓、ボイストレーニングをします。
演劇部などで活動した人は、もちろん、ご存知でしょう。稽古の前には徹底した発声練習をしましたよね。

声を武器にして仕事をするわけですから、声の特訓をするのは当たり前です。ボイストレーニングをしていない歌手や俳優、アナウンサーなんて、この世にはきっと存在しないでしょう。

不思議なことに、教師できちんと声の特訓、ボイストレーニングをしている人は、ほとんどいないのです。もちろん、音楽教師で声楽が専門の人や、演劇部出身の方は、当然、ボイストレーニングをした経験があるでしょうが、それ以外の教師・教師志望者のほとんどは、声の特訓をしていないのです。

それでいて、平気で「私、滑舌が悪いんです。」とか、「はっきり明瞭に話せないんです。」とか、「どうしても方言のアクセントが出てしまうんです。」などと言います。

こういうところが、やっぱり教師は甘えているのです。厳しく言えば、「非常識」なのです。声を使って仕事をしているのに、声を磨かないのです。

声を磨かないアナウンサーや歌手や俳優がいるでしょうか？　いないですよね。でも、声を磨かない教師はそこら中にいるのです。

教師の声は毎日、子どもたちの耳に届いています。その声を磨かないのです。おそらく、声を使って仕事をする職業の中で、声の修行を怠っているのは、教師だけでしょう。

教師は、正しい発声法で正しく声を出さなければいけません。
教師は、正しいイントネーションで正しく話さなければいけません。
教師は、自分の発声法や声の弱点を意識し、その弱点を克服しなければいけません。

方言の問題もそうです。もちろん、地元の子どもと一対一で話すときは、若干の方言を使うのは、親近感を作り上げる一つの手段ともなるでしょう。でも、それは、「共通語」を正しく使えるという前提のもとです。共通語で正しく話せないのに、「私はあえて方言を使って子どもたちに親しみを与えています」なんて、言い訳にすぎません。単なる逃げです。正しく日本語の共通語を使える人が、たまに、あえて、方言で語ってみるというのであれば構いません。でも、自分ができないことを言い逃れするために、でっち上げの教育論みたいなものを振りかざしてはいけません。

はっきり言います。教師は、まずは、正しい日本語の共通語を話せることが最低条件です。その条件をクリアしているのならば、必要と認めたときには、方言をご自由にお使いください。

滑舌が悪いのも、教師としての資質を疑われます。声が明瞭に通らないのも、教師としての能力不足です。だから、ボイストレーニングを受けるのです。だから、声を磨く特訓をするのです。

声を磨く特訓は、声を使う仕事をする人が、必ずしなければいけないことです。

面接練習をしていても、話す内容や言葉は良いのだけれど、発声法や発音がダメダメな人がたくさんいます。はっきり言って、聞き苦しい話し方、明瞭に聞き取れない話し方をする人がいます。自分が話す声のボリュームを適切にコントロールできない人がいます。大きな声で話せない人がいます。

これもはっきり言っておきます。声が通らない人、話が聞き取りづらい人は、教採の面接や模擬授業において圧倒的に不利です。声が明瞭であるだけで、面接や模擬授業は圧倒的に有利になります。

もちろん、声の修行は、教採のためにだけするのではありません。教師として子どもの前で話すために修行するのです。声に自信がない人に、子どもの前に立って、毎日、子どもに向かって語って欲しくはありません。

子どもたちは、教師の声を毎日聞いて、成長していくのですから。

教師の皆さん、教師志望者の皆さん、自分の声を磨いてください。
発声練習や、イントネーション、話し方の訓練を受けてください。

教師は声で勝負するものです！！

では、また明日！！